DVがあった場合の面会交流

DVがあった場合の面会交流

2015年08月07日 カテゴリー:離婚と子どもコラム

DV 面会交流

 

夫婦間のDVで離婚


DV(ドメスティックバイオレンス)を受けて離婚した場合の面会交流についてはどう考えたらよいでしょうか。


DVといっても様々です。身体的暴力だけでなく精神的暴力もありますし、暴力を受けた頻度や程度もそれぞれかと思います。


まず始めにお伝えしたいのは、どんな理由があれ暴力は許されないことだということです。程度や回数は関係ありません。受けた側が暴力と感じれば、それは暴力なのです。
「自分が悪いから暴力を受けたんだ」そんな風には絶対に思わないでください。この世に暴力を受けるべき人は存在しません。


それを前提にお話させてください。

 

 

DVが理由で面会交流拒否


では、DVを受けた側が子どもを連れて離婚した場合、面会交流は拒否できるのかというと、拒否できないケースが増えてきているといえます。


家庭裁判所でも、子どもに対しての暴力がない場合、親子の面会交流は必要であると認識され始めているようです。ただし、暴力を受けた側の精神状態や子どもがある程度の年齢であれば、子どもの意見も考慮されますので一概にはいえません。


1年などの期間、まずは写真を送る、定期的に手紙で子どもの成長を報告するなどの間接的な面会交流から始めることもあります。いずれにせよ、話し合いがうまくいかなければ、裁判所が判断してくれます。

 

 

DVを見てきた子どもの気持ち


暴力をふるうような親は子どもに会わせるべきではない。子どものためにも面会交流を行うべきではない。という意見をよく聞きます。

 

実は私自身も、子どもたちの生の声を聞くまではそう思っていました。きっと子どもたちは、そんな親に会いたくないはずだ!と。

 

ですが、DVを見てきた子どもたちに話を聞くようになって、その意見は大きく変わりました。「それでも会いたいんだ」「気になってしまう」「離れていると心配だ」という子どもたちの声が少なくなかったからです。私にはそれが衝撃的でした。

 

「親に暴力をふるったところを見たのに、どうしてそう思うの?」と聞くと、「説明できない感情なんだ」と言われたこともありました。中には、親同士だけでなく、自分も暴力をふるわれていたのに、自らのぞみ、交流を続けている子どもも何人かいました。その子たちもまた、それでも親だから会いたいんだと言いました。

 

もちろん、親に酷いDVをしてきたのを見ているから二度と会いたくない。という子もいました。大学生になっても深い恨みを抱えている子もいました。そのせいで、自分も精神的に病気になってしまい苦しむ子もいました。

 

しかし、その子どもたちの気持ちは統計でまとめられるものではなく、100人いれば100通りの気持ちがあったのです。育った環境が同じ兄弟同士でも真逆の気持ちを持つ子もいましたし、男女や年齢などで決められるものでもありませんでした。

 

ですから、DVがあったから面会交流させるべきではない。と、大人が勝手に決めつけないで欲しいと思っています。残酷なことですが、どんな親でも子どもにとっては親です。子どもは、親から愛されたいと願ってしまうものです。

 


DVを見てきた子どもと親の面会交流は始めからスムーズにいかないこともあります。交流する中で、子どもが嫌な思いをすることもあるかもしれません。ですが、「望めば親と交流できるんだ」という環境を大人が整えてあげることが大切です。

 

 

負担を軽くする方法


とはいえ、DVを受けた側は面会交流に強い恐怖と不安を抱えるでしょう。

 

面会交流によって相手からの支配が続くのではないか、逃げられないのではないか。そう思うのは当然ですし、その状況で面会交流を行おうとしても難しいです。

 

先ほど触れたように、まずは直接的ではなく、間接的な面会交流から始め、徐々に慣らしていく方法もあります。

 

また、DVがある場合、当事者間だけで面会交流を行うのではなく、第三者機関に依頼をして行うことが必須です。顔を合わせないことはもちろん、連絡や立ち会いはすべて間に入ってくれますし、もちろん個人情報も守ってくれます。第三者機関のスタッフはDVについて知識や理解がありますので、恐怖や不安がなるべくなくなるよう配慮してくれるはずです。

 


そして受けた側には、心のケアをしてもらうことが必要です。DVを受けて正常でいられる人はいません。身体は時間が経てば治りますが、傷ついた心を治すのには長い時間がかかります。そして、誰にも頼れず悩んでいる被害者側へのサポート体制がもっと充実することが必要かもしれません。

 

心が癒されてくれば、子どものための面会交流について考えられる余裕が出てくる日がやってきます。ですが逆に言えば、精神が追いつめられている状態で、面会交流だけど強制して進めようとしても、被害者側の負担が大きすぎますし、長続きしません。

 

DVがあっても、子どものための面会交流を実現するためには、子どもの声を聞くことはもちろん、被害者側の精神的なサポートの充実が必要不可欠です。